安野希世乃さんの4thライブツアー2024「まるごとしぼり100% Re:FRESH」。その東京公演が2024年3月30日(土)にTOKYO DOME CITY HALLで開催された。
1曲目は1stシングル「ロケットビート」。安野さんのワンマンライブとしては初めてステージ上にスクリーンが設置されるほど広い会場だったが、一人でも多くのファンに近づこうとステージを端から端まで歩き回る。ときにはステージ両端に設置されたお立ち台の上に乗って、2階席、3階席のファンにまで届くように手を振っていた。
間髪入れずに始まった「悲劇なんて大キライ」では、会場の全員でお約束のタオルを回して熱く盛り上がる。「涙目爆発音」はTVアニメ『マクロスΔ』から誕生した戦術音楽ユニット・ワルキューレの楽曲。安野さん演じるカナメ・バッカニアがメインボーカルを務める人気曲だけに会場のボルテージもさらに高まっていく。
1stアルバムから人気曲「さよならソレイユ」ではスタンドマイクに持ち替え、サビの部分でカスタネットを情熱的に叩きながらパフォーマンス。
所属音楽レーベルをフライングドッグからエイベックス・ピクチャーズへと移籍したことを先日発表したが、ライブタイトルの
“Re:FRESH
”にはそんな新たな門出の一歩目という意味合いも込められているという。とはいえフライングドッグとエイベックス・ピクチャーズの二人三脚による音楽活動はこれからも大きくは変わらず、「変わらないところを大切にして、変わっていくところも大事にしながら、これからも突き進んでいきたい」と改めてファンの前で決意を表明した。
また、今回のライブの裏コンセプトとして
“安野希世乃クロニクル
”があるとのことで「これまで応援してきてくれた皆さんにとっても、はじめましての方に対しても、今までの安野希世乃のいろんなところを見てもらおう」という楽曲をいくつかチョイス。その最初の曲が世代によっては懐かしく感じる人も多いだろうというTVアニメ『ふしぎの海のナディア』オープニングテーマ「ブルーウォーター」のカバーで、これはまだ安野さんが養成所のスクール生だったときに人生で初めて仕事として歌った
“安野希世乃クロニクル
”の始まりの曲だという。
続いて披露したのは安野さんの代表作『冴えない彼女の育てかた』より加藤恵キャラクターソング「M♭」と、加藤恵としてカバーしたゲーム『季節を抱きしめて』主題歌「季節を抱きしめて」。「クロニクルといったら、この作品は飛ばせないでしょ!」と、春の季節にもぴったりな楽曲を2曲続けて聴かせてくれた。
ここでクロニクルのコーナーは一段落し、季節は春から夏へ。「夏色花火」では夕方、「フェリチータ」では夜と、夏の中でもちょっとせつない気分になる時間帯を演出した。
そして「echoes」からはスペシャルゲストである東山奈央さんが参加。この曲はCD音源でも東山さんがBuddy's Vocalとして友情参加しているが、音源そのままの夢のコラボがライブで実現した。曲の最中にペコリとお辞儀をしながら目を合わせたり、姫と王子のように手を取り合ったり、あるいはハグしたりと、二人の仲のよさを感じさせるパフォーマンスでも会場を大いに沸かせた。
実は出番が来るまでの間、客席でライブを見ていたという東山さんはすでにハイテンション。ワルキューレでも共に活動するなど縁の深い二人は、「ぽかぽかイオン」という
“暖かい季節限定
”ユニットを組んでいて、季節もすっかり春になったということでユニットのデビューシングル「やじるし→」を披露。歌い終わると「私たち、ぽかぽかイオンでしたー!」と、二人で仲よくステージを去っていった。
衣装チェンジして再びステージに登場。身も心も軽やかに「ぼくのヴィーナス」を歌う。「世紀の祝祭」では「みんなのクラップを響かせちゃいましょう!」と客席をあおったり、「エイリアンボーイ」では気だるげな表情で歌ってみせたり、「生きる」ではみんなで一緒に旗を振ったり、後半戦の頭を飾る
“元気パート
”はあの手この手で楽しませてくれた。
バンドメンバーとのトークをはさんで、次はしっとりとした雰囲気でお届けするアコースティックコーナー。同じアコースティックアレンジでも「ちいさなひとつぶ」「花時雨」と、それぞれの楽曲ごとに違った音色の声を響かせた。
ワルキューレの楽曲「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」では再び東山さんが登場し、レアな二人バージョンでパフォーマンス。6年前に1stシングル「ロケットビート」のリリースイベントを行ったラクーアガーデンステージと同じ東京ドームシティで開催できた今回のライブには特別な思いがあるようで、「また一歩一歩、みんなと一緒に音楽で遊び続ける旅を続けていきたい」と心境を吐露。最後は「新しい季節を歩いていくあなたが、あなたらしく、あなた色に輝いていけますように」と、「恋する私カラー」でライブ本編を締めくくった。
アンコールではライブタイトルにもなっている新曲「Re:fresh」を満を持して披露。ここでは歌唱に合わせて初お披露目となるリリックビデオがスクリーンに映し出され、「本当に素敵なリリックビデオで、頑張ってくださったスタッフさんに大感謝です!」と感動をあらわにした。
早くもライブは終わりの時間に。「今日も会いに来てくれてありがとう!」の思いを込めた「逢いたくて」を歌い終えると、東山さんと一緒にサイン入りの
“桃
”をバンドメンバーとともに客席に投げ込んだり、客席をバックに記念撮影をしたりして、ファンとの大切な思い出を作っていった。
【セットリスト】
01.ロケットビート
02.悲劇なんて大キライ
03.涙目爆発音
04.さよならソレイユ
05.ブルーウォーター
06.M♭
07.季節を抱きしめて
08.夏色花火
09.フェリチータ
10.echoes(with 東山奈央)
11.やじるし→(as ぽかぽかイオン)
12.Destino〜恋は一秒の永遠〜(バンドインスト)
13.ぼくのヴィーナス
14.世紀の祝祭
15.エイリアンボーイ
16.生きる
17.ちいさなひとつぶ
18.花時雨
19.AXIA〜ダイスキでダイキライ〜(with 東山奈央)
20.恋する私カラー
《アンコール》
21.Re:fresh
22.逢いたくて