ほかにて好評放送中のオリジナルTVアニメ『陰陽廻天 Re:バース』。本作より木村太飛さん(タケル役)・内田真礼さん(ツキミヤ役)・木村良平さん(安倍晴明役)・石川界人さん(アツナガ役)らメインキャストが序盤の見どころを語るインタビューコメントが公開された。
──TVアニメ『陰陽廻天 Re:バース』はオリジナルアニメとなりますが、台本を読んだときの感想をお聞かせください。
木村良平 サイバーと陰陽師のミックスは面白そうだなと思いました。第1話ですと、ストーリーの導入部分までしか描かれていないのですが、台本から読み取れる情報だけでも、街並みの様子や文化のようなものが分かりましたので、独特な世界観だと感じました。しかもオリジナルストーリーで、バトルもありつつ、どうやら物語もディープな内容だと聞いていたので、面白そうだなとワクワクしていました。
木村太飛 陰陽師、サイバー、転生、ループ、ヤンキー、恋愛と、情報量がすごいな!と思いました(笑)。(転生モノは)どちらかというと西洋の世界観で描かれる作品が多いという印象があり、サイバーな世界観も、最近の転生モノとは毛色が違う感じがしました。そういうところも含めて、この作品は面白くなるのではないかなと、期待が膨らみました。
内田真礼 オーディションでいただいた資料が面白くて、そこでかなり惹かれていました。私の演じているツキミヤも、事前に渡されたオーディション資料だけでも情報量がとても多かったキャラなんですね。この内容を1クールでやるのか!と驚いたんですけど、だからこそ、この役を演じてみたいと思いオーディションを受けました。役をいただけて、物語を読んでみたら、やっぱり面白くて。色々な要素が含まれているのですが、掘れば掘るほど魅力が出てくるのが『陰陽廻天 Re:バース』だなと思いました。
石川界人 正直なところで言うと、展開のスピードが早くて、何が何だかわけがわからないというのが第一印象でした。視聴者の皆さんも同じ感想を抱くのではないかなと思っています。第1話も、そんなに詳しく説明はせずに、こういう事があって、ああいう事があって、こんな勢いでやっていくぜ!というノリだったんです(笑)。でも、そこにワクワクするんですよね。いったい何が起こっているの?の連続で、興味が湧く台本でした。
──それぞれが演じたキャラクターについてと、演じた感想をお聞かせください。まず業平 猛ですが、不慮の事故をきっかけに電祇平安京に迷い込んだヤンキー高校生で、ツキミヤにゾッコン。そして決めたことは最後までやり通す性格です。
木村太飛 タケルは両親がいなくて、おじいちゃんと中華料理屋をやっているんですけど、真っ直ぐで良い奴なんです。でも、超おバカな感じもあって、自分も単純なところがあるので、肌に馴染んだというか(笑)。演じるにあたっては、とにかく叫ぶことが多かったので、『ドラゴンボール』シリーズの映画をたくさん観てから収録に行っていました(笑)。あと、名前ありのキャラクターをいただけたときの第1話の収録は、いつも見た目から入るんです。だから今作も、タケルが着ていそうな派手なシャツを着て、オールバックにして収録に臨みました。
──ツキミヤは、電祇平安京でアイドル的人気を誇る舞手です。そして、タケルからは“ゾッコンさん”と呼ばれています。
内田真礼 ツキミヤに関しては、ツキミヤ自身のことが描かれているというより、タケル視点のツキミヤが描かれることが多かったんです。本人がどうあろうとしているのかが、実はよくわからないキャラだなと台本を読んでいて思いました。ですので、タケル目線のツキミヤを演じていこうというのが、始まった当初の気持ちで、内側から出てくる女の子のかわいさや魅力を、その瞬間瞬間で引っ張り出すようなお芝居の仕方をしています。すごくかわいいし、舞もできるし、俺のこと好きじゃん!と思わせる感じがあるんだけど、どこか食えない印象もある。タケルは「好き」という気持ちがあるから、そのかわいさを受け入れてくれるけど、本当のところはどうなんだろう、というのはあると思います。
──視聴者もゾッコンになるような感じなんですね。
内田真礼 視聴者の方がタケル目線でツキミヤを見て、とってもかわいい!と思ってもらえるように意識していましたし、アフレコでも、「もっとかわいくしていいです」と言われていたので、なるべく濃い目にお芝居することを心がけていました。
──安倍晴明は、電祇平安京を護る陰陽師たちの頂点に立つ最強の陰陽師です。
木村良平 すごく力のある陰陽師で、みんなを束ねる存在なんですけど、いつも笑顔でみんなにも優しいので、すごく良い人なんですよね。そして、とても頼もしい。素敵な存在だなぁと、僕は思っています。
内田真礼 えー!? ホントにそうなんですか?(笑)。
木村太飛 でも、まだ言えないことは多いですよね。
──スタート時は、どのような方向性で演じていたのですか?
木村良平 正直なところ、ちょっと怪しく見えてもいいかなと思って演じていました。タケル目線で見たら、謎めいた(電祇平安京の)街そのものみたいな感じに見えていると思うので、その街がタケルを受け入れるのかという側面は、特に物語の前半にあると思います。なので、懐の深さであったり、底知れなさというのは、あっていいのではないかなと思って演じています。
──アツナガは、エリート陰陽師で、日々の鍛錬を怠らない努力家です。
石川界人 アツナガは、タケルと違った方向で結構バカなんですよ(笑)。オーディションのときからギャグ寄りのセリフが多かったんですが、キャラクターPVも真剣なセリフが1割程度しか使われていなかったんです。ポジションとしては真面目で誠実で、しかも陰陽師のエリートなんですが、扱われ方はギャグということでやりがいのあるキャラクターでした(笑)。ただ、見ていて思うのは、この作品にタケルがいなくて電祇平安京を舞台にした作品だったら、彼が上を目指していく物語として描かれるだろうなと思えたんですよね。なので、彼のバックボーンなども感じさせるようなお芝居ができればいいなと思いながらアフレコに臨ませていただきました。
──主人公のような要素もありますよね。最初はカッコいいキャラクターだと思ったのですが、途中で少し様子はおかしくなる感じはありました。
石川界人 生真面目って面白いんですよ(笑)。だから演じる際も、変化球は投げずに真っ直ぐに演じました。疑うべきは疑い、信じるべきは信じる、そんなキャラクターだと思っています。
──今作は、《怨人(おに)》と呼ばれる化け物によって、ツキミヤが命を落とすという未来に抗うために、タケルがタイムリープを繰り返す物語です。つまりタケルの周りの人物は、何度も初めての出会いを繰り返すことになりますが、演じていていかがでしたか?
木村太飛 ループしている本人は記憶がリセットされないんですけど、それに対する戸惑いが薄いんですよね。前の時間で培ってきた親近感をそのまま持っていくんです。だから周りの対応の仕方も、最初のはじめましてとは違うんです。「すごく友達みたいな感じで来るけど、こいつ誰?」みたいな。そういう相手の変化も、見ていたら面白いのかなと思います。
──初めて会ったような反応をされることに関してはどうですか?
木村太飛 それも彼は全然気にしていないんじゃないですかね(笑)。
石川界人 「そっか、わりぃわりぃ、はじめましてだった!」みたいな感じだよね。
木村太飛 そうですね。でも「俺たち、絶対に仲良くなれるから大丈夫!」みたいなノリなんです。
内田真礼 ツキミヤは、初めて会うという感じでやっていましたけど、タケルが引っ張ってくれるというのはあると思うんです。この世界では異分子だけど、何があっても突き進んでいくのがタケルだから、そこに心惹かれるものが生まれてくるのかな?と思いながら、第1話、第2話と進んでいく感じでした。
──では、アニメの映像を見た感想をお聞かせください。
木村太飛 とにかく画がきれいで、めっちゃ動くんです。《怨人》が来るときに発生する黒い霧を《闇薫(やみかおる)》と呼ぶんですけど、その時のネオン管の感じがすごく好きで。周りが暗くなって、下から照らされている感じがカッコ良かったです。そして敵である《怨人》もカッコいいんですけど、式神のデザインも斬新で、ロボットみたいなんですよね。しかもふたりの陰陽師が別のところから操っているというのも新鮮でした。
※式神の受けた損傷は操縦者の精神にフィードバックされ、式神が完全に破壊されると陰陽師も死亡する
内田真礼 オリジナルアニメなので特に導入が大事だと思っているのですが、映像がきれいだなというのが第一印象でした。タケルが元いた世界と電祇平安京も全然違いますし、そこで生きている人たちの髪の色もバラバラで、この世界って何なんだろうと引き込まれる魅力がありました。どこか違和感のある世界観がすごく素敵です。ツキミヤの舞いのシーンもすごくきれいで、これはタケルも好きになっちゃうよなぁと思いました(笑)。
木村良平 昔から見ている時代劇のような背景の中に、現代どころではない、近未来を感じられるようなものが同居している。おそらくあれには陰陽術の原理が働いているんでしょうけど、そういうズレみたいなものにワクワクしました。で、バトルが始まるとロボットものっぽくなる…。すごく広がりのある世界観だと思ったので、描かれていない部分まで見たくなるような面白さがありました。
石川界人 疾走感がすごい映像ですよね。情報量もたくさんあるし、展開がどんどん進んでいくから観ていて疲れない。考え込む前に次の展開が来るので、本当に怒涛の展開だと思います。映像も陰陽術がすごくカッコ良くて、技にも迫力があるんです。最近のアニメーションだとそこで3DCGが使われるんですが、サイバーな世界観と陰陽術がすごく馴染んているんですよね。あと、小物もすごくカッコいいんですよ。陰陽師が手に付けているアイテムとか欲しくなりました。
──最後に、TVアニメ『陰陽廻天 Re:バース』の見てほしいポイントを教えてください。
木村良平 設定の魅力、キャラクターの魅力はあるんですけど、観ていて抱く違和感、気持ち悪いと感じる部分というのが、ループものの
“謎
”だと思うんです。この世界が勝手にループして、みんながただ困っている話ではなく、そこには誰かしらの企みだったり、描かれていない大きな事象が起きているのかもしれない。物語を追いながら、そういう謎を明かしていくのが楽しいんだと思います。さぁ、あなたは誰を疑うのでしょうか。
内田真礼 私は、この物語を見て、しっかり辛いことも描いていくんだなと思いました。それは後半になるにつれて、より強くなっていくのですが、そこで視聴をやめないでほしいです。。オリジナルアニメだから、どうなるかわからないですけれども、そういう展開に振り回されてほしいですし、そこに作り手の皆さんが伝えたい部分があると思いますので、どんな結末を迎えるのかを楽しみにしていてください。私も楽しみにしています。
石川界人 電祇平安京にいろんな《怨人》がやって来ては、それを撃退するんですが、《怨人》のデザインがすごいんです。それぞれに個性があって相当考えられたデザインをしているので、敵と呼ばれるものにも注目して観ていただければと思います。
木村太飛 今挙がったように、魅力的な要素がたくさんあって、スルーされているかもしれないんですけど、そもそもタケルって何でループできるのか、というところですよね。タケルの存在って何なんだろう、あの力って何なんだろうと、タケル自身に謎があるんです。それとこの世界の謎。どちらも考察しがいがあるので、細かいシーンを見直したりしながら観ても面白いのではないかと思います!