TBS系28局にて好評放送中のTVアニメ『太陽よりも眩しい星』。本作ヒロイン・岩田朔英を演じる藤寺美徳さんのインタビューが公開された。
──オーディションで朔英役に決まりましたが、結果を聞いた時はどんな心境でしたか?
事務所に行った時にサプライズで教えてもらいました。最初は頭が真っ白になりましたが、徐々に嬉しさや信じられない気持ちでいっぱいになって。スタジオオーディションでは、最初はガチガチだったんですけど、スタジオのブースに入ったらスタッフさんたちがすごく温かく、その姿に「こんな素敵なみなさんと一緒にお仕事をしたい」と熱量が増した思い出があります。
──収録当時はまだ高校生だったそうですね。
はい。制服で現場に通っていました(笑)。
──お仕事と学生生活の両立はどうでしたか?
学校生活のすべてがお仕事に活きています。何気ない日常の出来事でも「こういう時、朔英ちゃんならどうするのかな?」と考えたり、お友達との会話や空気感を思い返して演技に反映させたり。日々、朔英ちゃんやお仕事のことをたくさん考えられたおかげで、学生モードからお仕事モードへの切り替えはスムーズに出来ていたんじゃないかなと思います。
──演じる朔英の魅力はどんなところですか?
朔英ちゃんは誰に対しても分け隔てなく優しく、表に出る言葉に思いやりが溢れているところが魅力だと思います。頼まれ事が多かったり、責任のある係を任されていたりと、みんなから信頼されているところもすごいです。個人的にはご飯を美味しそうに食べている時がすごくかわいいなと(笑)。
──印象的なセリフはありますか?
朔英ちゃんの「フラれるのは怖い。無理かもって思うと、動けない。けど……もしダメでも頑張った自分は残るから……」でしょうか。中学生になってキラキラしていく神城を見て、諦めかけていたけど、そこから自分の気持ちに素直になろうと決心した時のセリフです。もしかしたら恋愛に限らず、刺さる方が多いんじゃないかなと思っています。私は原作でこのシーンを読んで朔英ちゃんのことを応援したくなりました。
──演じた感想をお聞かせください。
今になって考えると、収録話数を重ねるごとに朔英ちゃんに近づいていました。後半は「今の感情は私なのか、朔英ちゃんなのか」と境界線が曖昧になるくらい感情移入していたんです。ただ、この作品は朔英ちゃんの心の中がモノローグとして丁寧に描かれているだけに、演じる身としては表現に悩むことが多々ありました。彼女は言葉で「大丈夫」と言っても、心の中では「大丈夫」と自分に言い聞かせている時があるからなおさら難しくて。最初は手探りだったので(神城光輝役の)小野友樹さんや音響監督さんに相談しながら、少しずつ方向性を固めていった覚えがあります。
──小野さんからはどんなアドバイスを受けたのでしょうか?
表で言い表すセリフとモノローグの差別化で悩んでいるとお話した時は、モノローグは喋る対象が自分になるから距離感をゼロにすることが大事と教えていただきました。どれも私の中で漠然としていたものを的確に言語化してくださったんです。まだ完全に理解できたとは言えませんが、練習を重ねて少しずつ表現できるようになったんじゃないかなと思います。
──本作の収録を通して、技術的にも、精神的にも学ぶものがあったと。
そうですね。収録は毎話毎話が挑戦でしたが、演じていくうちにもっとこうしたいという気持ちが溢れてきました。
──どんなことを大事に演じましたか?
自分の中で色々な可能性を考えつつ、ディレクションに対してしっかりしたものをお返しすることは常に意識していました。それと等身大でいることは朔英ちゃんを演じるうえで一番大事だったんじゃないかなと思っています。
──朔英は小野寺翡翠、香川美織との会話が多いですが、キャスト同士でもお話をしたり?
(小野寺翡翠役の)羊宮妃那さんと(香川美織役の)田村睦心さんとは席が近く、並んで座らせていただいていました。羊宮さんは私が初めて出演したアニメでご一緒したことがあるんですけど、その時は収録が別であまりお会いすることができなくて。お芝居はもちろん、お人柄も素敵な方で、またお会いしたいと思っていたので、今回ご一緒できたことが嬉しいです。田村さんは初めてお会いしたんですけど、最初から色々とお話してくださって。演技も美織ちゃんの芯の通った言葉に暖かさや思いやりが込められていて素敵だなと思いました。個人的に、美織ちゃんがかるたを読むシーンの田村さんのお芝居がすごかったので放送が楽しみです。
──本編では様々な学校行事が描かれますが、藤寺さんにとって印象的な学校行事はありますか?
体育祭です。これは作品に影響されたからなんですけど、第1話で描かれる借人競争に憧れて、実際に実行委員会に立候補して、借人競争を提案しました。
──えぇ!?
そうなんです(笑)。しかも、多数決で採用されて自分が出場しました。夢が叶っちゃったんです!
──それはすごいことですね。どんなお題があったのですか?
私は「黒い靴を履いた人」というお題を引いて、1位でゴールしました。
──朔英が神城に一途なように、藤寺さんが一途に追い続けているものは?
やはり表現することでしょうか。私は小さい頃におままごとが好きで、その影響で演劇部に入ったら「これをお仕事にしたい」と思うようになり、本格的に声優の道に進むことを決めました。あの頃の経験があったから声優デビューすることができましたし、今でも表現することは自分にとって欠かせないものです。あと小さい頃からパンダが好きです。無限にグッズを集めているんですけど、この前、中華街に行ったらグッズだらけで感動してしまって!シールとか、ぬいぐるみとか、たくさんお買い物をしちゃいました。ただ、本物はなかなか見に行く機会がないんですよね。日々、YouTubeの映像を見ながら癒やしをもらっています(笑)。
──最後に、作品の魅力をお聞かせください。
この作品は朔英ちゃんが自分の心に素直になろうとしたり、神城と触れ合っていく中でどんどん変化して成長していくところが魅力です。見てくださる方は、きっと彼女のことを応援したくなるはず。そんな朔英ちゃんと、その友達たちによってどんどん面白くなる物語をぜひ楽しみにしてください。
©河原和音/集英社・「太陽よりも眩しい星」製作委員会