2007年8月に結成され、これまで“夏”、“冬”、“秋”と季節をテーマに3回のライブを開催してきた、狩野茉莉さんと下田麻美さんによるユニット“elements”。3月6日（土）、吉祥寺・CLUB SEATAにて、卒業と旅立ちのシーズン“春”をテーマにしたライブ『elements LAST LIVE〜君に咲く二つの花〜』を行い、その2年半に及ぶ活動に終止符を打った。

この記事では昼夜2回行われた公演のうち、夜の部の模様をお届けする。

　オープニングを飾る曲は高橋由美子『元気！元気！元気！』。ポップでキュートな歌と、ダンサーたちとの息の合った振り付けで、掴みはバッチリ。「『elements LAST LIVE〜君に咲く二つの花〜』へようこそ！」と元気に挨拶すると、さらに「うれしいよ〜！　うれしいよ〜！」とMCでもやたらテンションが高い狩野さん。下田さんも「頑張るから最後までついてきてね！」と続け、「みんなに会いたかったという気持ちを込めて」AKB48『会いたかった』を。


　この日2回目の公演ということで、観客たちも盛り上がりどころを分かってるという様子。ステージ上に用意されたお水がなぜか1つしかなかったため、「じゃあ二人で分け合って飲もうか」と下田さんが言うと、客席からは「おおおぉ〜！！！」と歓声が（笑）。さらにエスカレートする観客の声を、「春だねぇ。みんなの心の中が春だね」と軽くいなして、その流れで“春”をテーマにした歌、Qlairの『Spring Lover大作戦』、うしろ髪ひかれ隊の『ほらね、春が来た』を2曲続けて。

　「春をもっと探しに行ってくるー！」という言葉を残して、狩野さんがステージから走り去り、ここからは下田さんのソロコーナー。「今から歌うのは非常にエネルギーがいる歌です。皆さんの声援なしには最後まで歌いきることができませんので、今まで出したことのないくらいの大きな声で応援してください」とお願いをして歌うのは、鏡音リン・レンカバーアルバム『Prism』より、皆さんに勇気を届けたいという想いで下田さんが作詞した『Prism』。さらにもう1曲は、勇気をくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えたいと、elementsの活動の中で生まれた曲『声を聴かせて』。


　この曲をelementsのステージで歌うのもこれが最後と思うと、堪えきれず涙を流してしまった下田さん。そんなしんみりした空気を掻き消すように、なにやら軽快な音楽が流れだし、茉莉男（マリオ）に扮した狩野さんが登場（笑）。「ちょ、髭取れそう！　歌ってるうちに取れちゃうと思いますけど、気にしないでくださ〜い」と、そんな狩野さんの姿を見て立ち直った下田さんは、「この場はお任せします」と退場し、ここからは狩野さんのソロコーナー。コスプレをしたダンサーたちも登場し、歌うのは『声を聴かせて』と同じく、elementsの活動の中で生まれた狩野さんのオリジナルソロ曲『まりーずブートキャンプ』。そしてもう1曲は『太鼓の達人 わいわいハッピー！六代目』より、『白鳥の湖〜still a duckling〜』。その曲の途中で、ついさっきまで泣いていた下田さんが、キノコ（エリンギ）の着ぐるみ姿で登場（笑）。狩野さんがマリオだから、下田さんがキノコ。せっかくそんな二人が揃ったのでと、マリオがキノコを食べて大きくなる様子も表現してみたり（笑）