5月1日（土）、『劇場版“文学少女”』がついに公開初日を迎え、シネ・リーブル池袋にて、多田俊介監督、天野遠子役・花澤香菜さん、井上心葉役・入野自由さん、さらにシークレットゲストとして朝倉美羽役・平野綾さんが登壇しての舞台挨拶が行われた。

――大人気ライトノベルのアニメ化ということで、意識したことはありましたか？

多田　大人気ということでかなり意識しましたし、プレッシャーもすごかったです。企画の立ち上がりからだともう1年半ほどになるんですが、ストーリーも波瀾万丈ですが、製作現場も波瀾万丈でした。いろいろなことを乗り越えてここまで来ましたので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

――花澤さんは原作の大ファンで、オーディションに向けて試みたことがあるそうですが？

花澤　オーディションを受ける前に原作を読ませていただいたんですが、これは出たい！なんでもいいから出たい！と思いまして。それでなんとかしてオーディションに受かろうと、原作を何冊も読んで、原作に登場する文学作品も読んで、さて、あとは何をしてないだろう……？と思ったとき、そうだ、紙を食べてないと思いついたんです。遠子さんは紙を食べる子なのに、私まだ食べてないと思って、オーディションの直前に紙を食べてみたんです。オーディション中に急に食べ始めたら、「この子大丈夫かな？」と思われちゃいますので。それで、行く途中の駅のトイレでオーディション原稿を食べてみたら、しょっぱかった〜（笑）

――紙を食べることを皆さんにオススメしますか？

花澤　オススメしません！（笑）

――入野さんは昨年発売されたドラマCDから心葉を演じられていますが、心葉の印象は変わりましたか？

入野　作品の印象が一番変わったときというのは、一番最初、オーディションを受けることになり、原作を読んだときですね。すごく綺麗な表紙でしたし、『“文学少女”』というタイトルからも、ファンタジーで美しい、心温まるお話なんだろうなと思って読み始めたんです。そうしたらドロドロした展開になってきて、読み進めるほどにハラハラしてきて、これは最後まで読み切ることができるかなと思ったんです。でも最終的には自分が思い描いていた通りの、綺麗な形で終わりまして、さらに原作を数冊を読んで、これは面白いと感じました。自分で心葉を演じるときには、綺麗な部分とドキドキハラハラの部分の両方を表現するよう、気を遣いました。

――とても難しい役どころだったと思いますが、平野さんは物語のキーとなる美羽役を演じてみていかがでしたか？

平野　こういうのがヤンデレというんですか？　こういうジャンルを演じたことは全くなかったんですが、チャレンジした役どころではあったんです。オーディションは実は遠子さんで受けたんですが、美羽を演じていて、自分はやっぱり美羽だなと納得してしまう部分がすごくたくさんありました。美羽に共感してしまうとは一概には言い難いんですが（笑）、演じているうちに役にのめり込んでいき、そのうちに自分の心がどんどん美羽に寄っていって、美羽の心情が理解できるようになっていったんです。私がこれまで演じた役のなかでもかなり印象深い役で、心に強く残りました。