2010年12月に最終巻となるBlu-ray&DVD第2巻が発売されたOVA『たまゆら』。これを記念して、1月22日(土)、東銀座・東劇にて、全話上映+トークショーイベント「『たまゆら』全話上映イベント 〜いつか想い出になっていく〜」が開催された。出演は、沢渡楓役・竹達彩奈さん、塙かおる役・阿澄佳奈さん、桜田麻音役・儀武ゆう子さん、佐藤順一監督。
「ひとつめ」から「よっつめ」の上映の後、佐藤監督とキャストの皆さんがステージに登場。改めて『たまゆら』という作品についてやWebラジオ、これまで数多く開催してきたイベントなどについて振り返った。
また、出演者の皆さんにとって『たまゆら』がどんな存在だったかを、「『たまゆら』は私の○○でした」という言葉で表現。阿澄さんは、みんなで一緒に竹原に行ったり、移動時間に遊んだりしたことが「修学旅行」のようだったと回答した。さらに竹達さんも同じように「学校」みたいだったと回答。そして儀武さんはというと……二人よりも一歩踏み込んで「プライベート」だったと回答。儀武さんは個人的に竹原に行ったり、帰省をしたいがために沖縄でイベントを開催してもらったり、佐藤監督を沖縄の実家に招待したりと、確かに最早プライベートと言ってしまっても過言ではないのかも。
OVAは完結してしまったが、2011年には『たまゆら』のさらなるの展開が! まずは3月30日(水)にドラマCD「たまゆらじおどらまぷらす」が発売決定。Webラジオ「たまゆらじお」内で配信されたラジオドラマを再度アフレコし直し、さらに新作ドラマも追加で収録される。そして、ついに『たまゆら』のTVアニメ化が決定! 放送時期、放送局などはまだ未定だが、OVAでは見せる機会がなかった作品やキャラクターの設定、佐藤監督が2010年秋から冬にかけて取材して得た新たな資料などが、TVアニメでは活かされることになりそうだ。
イベント終演後、佐藤監督、キャストの皆さんに、改めてTVアニメ化されることについての感想などを伺った。
――TVアニメ化が決まっての感想をお願いします。
竹達 本当にすごく嬉しいです。「多分、TVアニメ化するよ」と言われてはいたのですが、
“多分
”とついていることがすごく不安だったんです。ですが今日ついに皆さんにTVアニメ化を発表することができ、思わずテンションが上がっちゃいました。
阿澄 完全オリジナル作品として、佐藤監督をはじめとするみんなでゼロから温めてきた『たまゆら』が、ついにTVアニメ化することを本当に嬉しく思います。オリジナル作品をTVアニメにするのは、とてもとても大変なことだと思うのですが、頑張れば夢は叶うんだということを、この作品で教えてもらったような気がします。TVアニメが観られる日を、ファンの皆さんと一緒に心待ちにしたいと思います。
儀武 私は、「佐藤監督の次回作は『たまゆら』です」と発表する場にも立ち会わせていただいたのですが、この作品は最初から、いずれはTVアニメにしたいという想いがありました。声優がアニメに関わるのは、作品づくりのほとんど最後の部分ですので、製作の深い部分に関われないことを、これまでずっと歯がゆく思ってきたんです。しかしこの作品では念願の製作の部分にも関わらせていただき、すごくすごく思い入れのある作品になりました。TVアニメ化という夢が叶い、この先まだ『たまゆら』に関わり続けることができるんだと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいです。
佐藤 『たまゆら』のようなオリジナル作品をTVアニメ化するのはなかなか難しく、TVアニメ化するための手段として、まずはOVAでリリースすることにしました。より多くの方に観ていただくにはどうすればいいか、いろいろ試行錯誤し、手探りの中でここまでやってきましたが、奇跡のような出来事も積み重なって、ついにTVアニメ化の運びとなりました。これは当初からの目標ではあったのですが、それと同時に『たまゆら』のスタート地点だと思っています。そのスタート地点に立てたのも、ファンの方の応援があればこそですので、『たまゆら』を支えてくださった皆さんには感謝の言葉もありません。
――TVアニメではどんなストーリーを展開しようと考えていますか? また、新キャラクターの構想などはありますか?
佐藤 新キャラクターは出ます。
竹達・
阿澄 え!?
儀武 それは確定ですか? ますます麻音の喋る機会が減っちゃうんですけど……。これ以上減らされると台詞なくなっちゃうので、他の人のを削ってください!
佐藤 (笑)。その新キャラクターというのは、OVAでの登場も考えていたキャラクターなんですが、お話の展開の都合で出す機会がなかったんです。また、キャラクターコメンタリーで作品のいろいろな設定の話をしていますが、OVAでは活かし切れなかった設定を、TVアニメでは活かしていきたいと思っています。TVアニメも、基本的には楓たち4人がメインとなるのですが、ときにはサブキャラクターにスポットが当たるようなエピソードなどもやっていきたいと考えています。
――キャストの皆さんはTVアニメでやってみたいことはありますか?
儀武 麻音の台詞を減らさないでください!
佐藤 今は竹達さんの番だから。焦らないでください(笑)
竹達 楓ちゃんは主人公なので、台詞は減らさないでください(笑)。やってみたいお話ですが、楓ちゃんが小さい頃のお話を観てみたいのですね。私が楓ちゃんに選ばれた理由は「たまゆらが撮れたから」だったのですが、今はもうあまり撮れなくなってしまったんです。ですが、たまゆらが撮れなくても私が楓ちゃんで良かったと思ってもらえるよう、頑張りたいと思います。
阿澄 私は、かおるがみんなのことを見守っているのを、かおる視点で表現したお話や、普段は仲の良い4人がケンカをしてしまうお話なんかが観てみたいです。
佐藤 殺伐としたお話ですか?
阿澄 いや、殺伐ってことは(笑)。ケンカをしてしまうお話でも、ちゃんと仲直りするところまでを描いてください! 他にも、かおるが悩むお話なんかも観てみたいですね。
儀武 私は、麻音ちゃんの実家である大崎下島の旅館の話も観てみたいですし、麻音ちゃんとは何もかも正反対ののりえちゃんと、どうやって今のように仲良くなったのか、そのエピソードなんかも観てみたいです。