去る3月11日(金)に発生した東日本大震災の被災者を、「音楽、お笑い、食」の力で支援することを目的としたイベント「東日本大震災復興祭2011〜子供たちの未来のために〜」が、10月29日(土)・30日(日)の2日間にわたり、国立代々木競技場一帯の会場にて開催された。本イベントは音楽関係5団体が発起団体となり、ASIAN KUNG-FU GENERATION、いきものがかり、SDN48など多数のアーティストがその主旨に賛同、国立代々木競技場やSHIBUYA-AXなどにて、熱いライブを繰り広げた。
会場のひとつ、国立代々木競技場 第二体育館では、アニソンアーティストによるライブを開催。29日(土)にはKalafina、椎名へきる、スフィア、飛蘭、牧野由依、宮野真守、妖精帝國、米倉千尋、30日(日)には麻生夏子、石川智晶、河野マリナ、黒崎真音、佐藤ひろ美、JAM Project、茅原実里、yozuca*という、アニソンファンなら誰もが知っているアーティストたちが、レーベルの枠を越えて同じステージに立った。ここでは30日(日)の公演の模様をレポートする。
ライブの幕開けを飾ったのは麻生夏子さん。名だたるアーティストたちが集う中、トップバッターを任されて、開演前からずっとドキドキしていたと、MCでは少し不安げな様子だったが、ライブ中はそんな不安を微塵も感じさせない圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了。『バカとテストと召喚獣』オープニングテーマ「Perfect-area complete!」、『CARDFIGHT!! ヴァンガード』エンディングテーマ「ダイヤモンドスター☆」、そして10月26日(水)に発売されたばかりの2ndアルバム「Precious tone」よりタイトルチューン「Precious tone」を披露してくれた。
2番手はyozuca*さん。「この大震災を目の当たりにし、自分でも何かしたいと思っていたけれど、それと同時に、私にできることなんてなにもないんじゃないかとも感じていた。なので、今日このライブに参加することができて嬉しい」と語り、『D.C.〜ダ・カーポ〜』オープニングテーマ「サクラサクミライコイユメ」、『D.C.U To You〜ダ・カーポ U〜 トゥーユー Side Episodes』オープニングテーマ「レンブラントの光」、『INSTANT BRAIN』エンディングテーマ「20110510」というバラエティに富んだ3曲でステージを盛り上げた。
3番手は、第4回全日本アニソングランプリで優勝を果たし、『Aチャンネル』オープニングテーマ「Morning Arch」でデビューを果たした河野マリナさん。「私が復興のためにできることは、飾ることなくただ一生懸命歌うことだけ」と、その「Morning Arch」、そしてc/wの「I meet You◎」を歌うと、懸命に歌うその姿に、客席からは応援の声が飛び交っていた。
4番手は自身も4月にチャリティーライブを行ったという黒崎真音さん。このライブでは、『とある魔術の禁書目録U』エンディングテーマ「メモリーズ・ラスト」、PSP版『とある魔術の禁書目録』テーマソング「ANSWER」、OVA『薄桜鬼 雪華録』エンディングテーマ「真実-The light lasting-」の3曲を披露した。「真実-The light lasting-」は震災直後に制作されたミニアルバム「五色詠」からの1曲でレコーディングの時に命の大切さを強く感じたというMCの後に歌われた。
5番手は石川智晶さん。実際に被災地に赴き、「被災者の気持ちを完全に理解することはできないけれど、私なりにできることがある」と、黒崎さん同様、4月にチャリティーライブを主催した石川さん。『神様ドォルズ』オープニングテーマ「不完全燃焼」、同エンディングテーマ「スイッチが入ったら」、さらには「被災地の子供たちの心をこの歌に託したい」と、『ぼくらの』エンディングテーマ「アンインストール」に、子供たちが理不尽に命を奪われていく様を重ね合わせていた。
6番手は佐藤ひろ美さん。最大の被災地のひとつである岩手県大槌町の出身であり、父親が津波に飲まれ、現在も行方不明中となっているという、この大震災の当事者の一人でもある佐藤さんは、地元の復興のため
大槌町復興支援情報サイト「がんばっぺし!大槌」を立ち上げ、様々な活動を通じて、被災地の復興に尽力している。このライブでは『GALAXY ANGEL Eternal Lovers』オープニングテーマ「Angelic Symphony」、そして震災発生以降、頻繁に地元へと足を運び、その地元でライブをする際には必ず歌うという「生きる」を披露。客席からは割れんばかりの拍手が巻き起こっていた。
7番手は茅原実里さん。「今日のステージでは、想いをすべて歌に込めて伝えたい」と、『境界線上のホライゾン』オープニングテーマ「TERMINATED」、『キディ・グレイド2 パイロットDVD』テーマソング「純白サンクチュアリィ」、『喰霊-零-』オープニングテーマ「Paradise Lost」、そして「Tomorrow's chance」というエネルギッシュな4曲でステージを熱くした。
ラストを飾るのはもちろんJAM Project。メンバーの一人・遠藤正明さんは被災地・宮城県石巻市の出身であり、JAMのメンバーとともに被災地にてライブを行うなど、復興のための活動を行っている。遠藤さんは石巻出身という縁から、石巻にある石ノ森萬画館のオリジナルヒーロー・シージェッター海斗のテーマソングを担当しているが、この石ノ森萬画館も被災。その復興を後押しすべく作られた新曲「不滅のヒーロー SEAJETTER KAITO」を、このステージでも披露された。さらに『カードファイト!! ヴァンガード』オープニングテーマ「Believe in my existence」や「KI・ZU・NA」、そして最後は定番中の定番「レスキューファイアー」「GONG〜SKILL」で3時間あまりにおよんだライブを締めくくった。
また、29日(土)のステージには8組のアーティストが参加。スフィア「HIGH POWERED」(『侵略!?イカ娘』オープニングテーマ)、Kalafina「Magia」(『魔法少女まどか☆マギカ』エンディングテーマ)、米倉千尋「嵐の中で輝いて」(『機動戦士ガンダム第08MS小隊』オープニングテーマ)などのお馴染みのアニソンを含む、全25曲におよぶライブが行われた。
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