2013年5月31日(金)についに公開日を迎えた新海誠監督の新作劇場アニメ『言の葉の庭』。本日2013年6月1日(土)にはTOHOシネマズ渋谷、池袋HUMAXシネマズ、新宿バルト9の3劇場にて、新海誠監督、入野自由さん(秋月孝雄役)、花澤香菜さん(雪野百香里役)による公開記念舞台挨拶が行われた。
新海 この作品には、「観終わった後に、観客の皆さんにこんな変化があればいいな」という裏テーマがありまして、ひとつは「雨が好きになってくれたらいいな」、そしてもうひとつは「靴もしくは足が好きになってくれたらいいな」なんです(笑)。入野くん演じる秋月孝雄が、花澤さん演じる雪野百香里のために靴を作るという話なので。新宿が舞台になっていて、このバルト9に来るまでにも、作品に出てきた風景を目にされていると思いますが、そんな見慣れた風景が出てくるところも見どころです。入野くんと花澤さんは、これまでもたくさんの作品に出演されてきましたが、傲慢な言い方かも知れませんが、この作品では過去のどの作品とも違う2人を見られると思っています。雪野百香里というキャラクターは私が作ったのですが、花澤さんが彼女を演じて、その演技を演出していて、初めて彼女のことが分かったように思います。それは花澤さんがこれまでの人生で培った経験を、彼女に人生の深みとして吹き込んでくれたおかげです。『言の葉の庭』は一切言い訳せずにお出しできる作品にしたいと、スタッフ一同そのように思って作りました。観て、感じて、楽しんでいただけたらと思います。
入野 絵が美しく、音楽も美しく、心を鷲掴みにされる作品です。話したいことはたくさんあるのですが、でもこれからご覧になる方を前にネタバレはできないというジレンマがあります。新海さんの作品が大好きなので、その空気感を意識して、感じるままに孝雄を演じました。この作品には不安や不満、痛み、それを乗り越えて進む強さや夢、いろいろなものが詰まっています。そういうものをいっぱい感じ取ってもらえたら嬉しいです。
花澤 演じた私が言うのもあれなんですが、この作品は素晴らしいです。45分という短めの作品なんですが、時間の感覚がなくなるくらい、すごく引き込まれます。雨の描写が本当に綺麗で、劇場で一度観ただけじゃ全てを観ることはできないので、すみずみまで何度もじっくり観ていただきたいです。雨の日って、憂鬱な気分になってしまうんですが、この作品に携わって、雨の日の過ごし方っていろいろあるなと思えるようになりました。雪野は27歳なのですが、この年齢の役を演じるのは初めてのことで、自分自身でも経験したことのない年齢なので、舞台になっている新宿の街を歩いてみたりしながら、雪野のことをいろいろ想像しました。私は雪野に共感できる部分がたくさんあったので、皆さんにもどこかしら共感してもらえる部分があればいいなと思っています。
🏴 作品情報
■劇場公開
新宿バルト9ほか全国劇場にて公開中
■スタッフ
原作・脚本・監督:新海誠
作画監督・キャラクターデザイン:土屋堅一
美術監督:滝口比呂志
音楽:KASHIWA Daisuke
製作・著作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝映像事業部
エンディングテーマ:「Rain」作詞・作曲:大江千里/歌:秦基博
■キャスト
入野自由、花澤香菜
■作品概要
『言の葉の庭』は、新緑の季節の雨の日に庭園で出会った、靴職人を目指す高校生・タカオと、謎めいた年上の女性・ユキノを主人公に、2人の揺れ動く気持ちと心の機微を繊細に綴っていくラブストーリー。新海監督ならではと言える実写と見間違うほどであると同時にアニメーションだからこそ表現できる美しい映像で物語が展開していく。主演には「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の入野自由、「化物語」「STEINS;GATE(シュタインズゲート)」の花澤香菜。エンディングテーマとして、実力派シンガーの秦基博が、大江千里の名曲「Rain」をカバー。この映画のキーポイントのひとつである
“雨
”をテーマにした楽曲で本編の深みをより一層濃く彩る。
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