全国劇場にて絶賛公開中のアニメ『鬼滅の刃』無限列車編。本作の公開御礼舞台挨拶が、本日2020年10月31日(土)にTOHOシネマズ日比谷で開催された。登壇者は主人公・竈門炭治郎役の花江夏樹さん、煉獄杏寿郎役の日野聡さん、そして猗窩座役の石田彰さん。
公開から2週間経った今もなお人気は絶えることなく、日々観客に楽しまれていることについて花江さんは「僕も公開初日に映画館にいって、こないだIMAXでも観ました。映像のクオリティと音楽の迫力と皆さんのお芝居が相まっていて、演じている身としても、ファンの一人としても夢見心地でした」と、いちファンとしての熱い想いを噛み締めた。
煉獄と猗窩座との激戦について、花江さんは「日野さんと石田さんのお芝居が凄まじすぎて緊張感が半端なくて、後ろで(アフレコの様子を)見ていたのですが、音を立てちゃいけないというプレッシャーの中、お2人の芝居を観つつ、炭治郎の出番の緊張感が凄かったですね。本当に熾烈な戦いが繰り広げられているんだなというのが、アフレコ現場からもヒシヒシと感じました」と現場の熱量の高さを感慨深く語り、声優陣もまさに死闘を繰り広げたという当時の様子を振り返った。さらに日野さんは本作で煉獄を演じるにあたって「猗窩座と対する点で、まずは煉獄の人としての強さ、心の強さを意識しました。かつ柱といえども上弦の参という物凄い強敵と戦う上で、力には限界がありながらも、精神力という意味では上弦の参の鬼をも上回る想いで、凛々しく演じようと心掛けていました」と、煉獄が持つ正義感や精神力の強さを自身も同じように抱いて演じたと話す。石田さんとの共演については「白熱しましたね。収録自体が自粛期間前だったので、石田さんと花江くんはじめみんなと収録することができたので、同じ空間で熱量を感じながら演じられたというのが非常に大きかったです。石田さんの胸をおかりして、煉獄の想いを全力でぶつけさせていただきました」と、戦闘シーンは煉獄が猗窩座に立ち向かうように自身も煉獄と同じように強い想いをぶつけたと明かした。
一方で石田さんは猗窩座について聞かれると「今回の映画の台本を読ませていただいて、猗窩座という役がどうしてもエッジの効いた尖っている人ように思えて、ただ強さだけを求めている姿がどうも普通じゃないと考え、そういう面を出すことで煉獄さんの対比になればと思いました」と、煉獄とは正反対の異常なまでに強さだけを求める猗窩座の持つ狂気性を、全身全霊で演じたとコメント。さらに「最初の挨拶でも触れさせていただきましが、(猗窩座が)映画で初登場なわけですよ。煉獄はTVシリーズでしっかりキャラクターが作られていて、そこに対抗馬としていきなりでてくる…そこまでのキャラクターをやらなきゃいけないというところはプレッシャーでもあり、僕の方こそ全身全霊でぶつかっていかないと、人に胸を貸してる場合じゃないなと思いました」と劇場版で初登場したキャラクターだからこそ、他の声優陣にも負けない想いを持って全身全霊で挑んだと当時のアフレコを振り返った。
この激戦では限りある命だからこそ尊く強いと説く煉獄と、永遠の命と強さだけを求める猗窩座という対極に立つ2人の強い信念が衝突するところも見どころ。日野さんは「煉獄の強さは、家族、後輩、仲間、困っているすべての人々を助けたいという想いにある。その想いが自分も高見みへと持ち上げ強くなれるというところが彼の魅力だと思います。彼の母の教えと、柱として鬼殺隊としていままで鬼を倒してきたからこそ、猗窩座を前にその強さが出せたのではないかと思います。猗窩座は猗窩座で武を極めるという強さを持っていて、出会うタイミングというか、うまく歯車が噛み合ったら、すごく仲良くなれるんじゃないかとも思ってましたね(笑)」と、一見正反対にみえる2人だがその根底にある
“強さ
”は共通するものがあると語り、石田さんは「猗窩座の強さというのは煉獄と違って自分のために強くなるというところに特化していて、強くなる以外は全部排除してもいいという極端な目的を達成しようとするところに(強さ)があるんじゃないかなと思います。人のためになんか強くなれない、己のためにやんなきゃ本当の強さは得られないんだという、人を諭したり教え導いたりするのには使いづらい理屈を持っていて、その強さは正義的な強さではないなと思いますね。」と煉獄とは違う、猗窩座が持つ独特な強さの魅力を力強く語った。そんな2人を前に花江は炭治郎を演じるにあたって「日野さんと石田さんのお芝居を目の当たりにして、細かいことを考えるというよりも感情のままに、炭治郎の力ではどうにもできない悔しさを想いのままにぶつけようと思いましたね」と、まるで炭治郎としてその場にいるような感覚で彼の想いを全身全霊でぶつけたと力強く語った。
2人の激闘を捉えたハイクオリティな映像美や手に汗握るダイナミックな演出もまた観客に親しまれている魅力の一つ。日野さん・石田さんは映像について「息をするのを忘れてしまうくらい圧倒されました。技の応酬や、表情、呼吸、音楽、最後のエンドロールに至るまですべて凄まじくて観終わったあとは放心状態で圧倒されました」(日野)、「僕らが収録したときはもちろん音が入っていないのですが、完成品をみるとやっぱり凄いなと思いました。思っていた以上にこんなことになってるのか、というのがあって、もちろんアフレコの時点で100%の力でやっていたのですが、より良くしたいなという欲がでるくらい、完成版の凄さがありましたね」(石田)と、お互いの攻撃を目で追えないくらいの凄まじい戦闘シーンを絶賛。花江さんも「かっこよすぎて泣くことってあるんだなと思いました。猗窩座の術式展開が綺麗でしたね。煉獄さんや猗窩座の戦いの一連は大迫力のあるスクリーンで観る価値がありますし、一回で戦いを追えないので何回でも観に行きたくなりますよね」と劇場版で観るべき本作の魅力を語った。
ここで
“あるお知らせ
”を花江さんが発表。「2020年10月16日(金)に公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。たくさんの方にご覧いただき、なんと本日観客動員1000万人を突破いたしました!(2020年10月16日(金)〜31日(土)の16日間の動員数)」と会場に響き渡る声で伝え、日野さんが「よもやよもやだ!」と歓喜の言葉を贈ると、観客からは割れんばかりの祝福の拍手が送られ、会場中にキャスト陣と観客の笑顔が溢れた。
最後に「皆さんご覧いただいたように無限列車編はこのような形で着地をしました。おそらくみなさんの記憶の中では煉獄さんが!という気持ちでいっぱいになっているかと思いますが、冷静になってください、魘夢すごい気持ち悪かったでしょ、炭治郎の夢がでてきて、『ああ、この夢が続けばいいのに』と思ったでしょ、そういうことを思い出すためにまた劇場へ来てくださればと思います」(石田)、「この無限列車編に関わるすべての皆様が心を燃やして挑みました。世界中が大変なときだからこそ家族との愛、命の在り方、生きるというこの現実を受け止めながらも前に進むというメッセージを本作から受け取っていただければと思います」(日野)、「たくさんの方々に楽しんで頂けて感謝です。これからも炭治郎を演じることができた喜びと煉獄さんから贈られた言葉を忘れずに今後も頑張っていきたいと思います!」(花江)と締めくくり、鳴りやまない祝福の拍手と共にイベントは幕を閉じた。
🎦 作品情報
🔘 劇場版『鬼滅の刃』無限列車編
▶劇場公開
2020年10月16日(金)より公開中
▶ストーリー
果てなく続く無限の夢の中へ──。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。襧豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。
▶スタッフ
原作:吾峠呼世晴(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:LiSA「炎(ほむら)」
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
▶キャスト
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門襧豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
煉獄杏寿郎:日野聡
魘夢(下弦の壱):平川大輔
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable